以下は、わが愛するアルビレックスが、どつぼにはまってなかなか勝てない事態からの逃避のための文章である。
■ カリフォルニアな感じで信濃川の土手を走りたかったが、しかし。
ここ1年くらい1週間に1~2回くらいのペースで信濃川沿いのやすらぎ堤をジョギングしている。だいたい萬代橋から千歳大橋をゆっくりと1時間くらいかけて往復するようなペースだから、世間一般的には大した運動ではない。
そもそもは、フットサルでへばらない身体づくりをするためと、基礎代謝力をアップするというのが目的であった。
なにごとも形から入る私は、ジョギングをはじめるにあたって、iPodシャッフルで音楽を聴きながら、脳内カリフォルニアな感じでいこうというイメージを固め、なにはともあれiPodシャッフルを購入した。
しかし、哀しいかな、わがCDコレクションには、カリフォルニアな品揃えはまったくなかった。
仕方ないので、中島みゆきとか、Tommy february6とかとか、雅夢(iTunes MusicStoreで購入!)とかを入れてジョギング生活を開始することにした。
当初、ジョギング中の脳内麻薬物質を圧倒的に分泌せしめたのは、やはりtommy先生であった。
そう、特撮テレビヒーロー主題歌集をmino氏に紹介されるまでは。
(無駄に高校教師的回想文体だな)
■ 正義を歌いあげる音楽の楽曲的な危険性
ことの始まりは、関川村キャンプat荒川河川敷で、mino氏にヒーローものの主題歌の2枚組CDの存在を教えてもらったことだった。
はじめはドライブのBGMにいいかな、くらいに思っていた。
しかし、ちょっとして実験心でジョギング用にiPodシャッフルに入れて走ってみたら、その驚異的な身体におよぼす影響について戦慄せざるを得なかった。
まず、当然のことではあるが、ヒーローものの主題歌は、ラブソングではない。
ラブソングではない、ということは、だれかを想う気持ちというレベルで共感を誘うのではなく、直線的に、悪を倒す正義!!!というところで共感を誘ってくるわけである。
これは、危険である。
あなたvsわたし、ではなく、悪に染まりつつ世界vs正義のヒーロー、という構図なものだから、ひたすら圧が高まっていく安全弁のないボイラーのような切迫感がある。
また、楽曲的にもその切迫感があますところなく示されている。
ダンスミュージックではありえない、単純な2拍子、ひずんだギターと生楽器によって構成されたオーケストラと、ビブラスラップ(カーァッ!!ってやつね)みたいな効果音楽器?の組み合わせ。
技巧的なドラムと、ティンパニとが織りなす今日的にありえないリズム。
音楽的にどういったジャンルに属すのかは知らないが、少なくとも21世紀に入ってからはあまり聞かないタイプの音楽ということは確かだ。
そして、ヒーローの宿命と、性能!を直線的にことばにした優れた歌詞の数々!!
こういったセットが万人の脳に麻薬的に作用するのかはわからない。
が、少なくとも1965後半~1970年代前半に生を受けた男子諸君の脳に危険な物質を分泌することは間違いないのではないか、と思う。
■ ジョギング・ミュージックとしての「ゴーゴーキカイダー」
名曲は、数々あるが、特に、走っていて、思わずスピードアップし身体に負荷をかけてくる曲として、「人造人間キカイダー 」(1972年wikipedia詳しすぎ!)のテーマ曲「ゴーゴーキカイダー」(作詞:石ノ森章太郎/作曲:渡辺宙明/歌:秀夕木、コロムビアゆりかご会)があげられる。
ちなみに、このCDを紹介されるまでは、番組の内容の方は全然覚えていなかった。テーマ曲の方もサビのあたりしか、おぼえてなかった。
年齢的に本放送は覚えてるわけないから、多分夏休みの再放送とかで適当にみていたのだろう。wikipediaの記事を読んでもハカイダーしか思い出せないし。
この歌が基本的にジョギング向きなのは、単純な2拍子なためだ。
リズムを固定されると、ストライドで速度を調整することになり、気分が高揚してくると、なにも考えないで勝手にスピードアップしていく感じになる。
リズムはドラムでなく、鈴!(小学校の演奏会で多用される奴ね)でつくられ、要所要所に、ティンパニと、金管楽器と、なんというのかわからん強風のような音を出す効果音楽器が入る。
普通の状態で聞いていれば、単純すぎる構成だが、運動しているとこの単純さがここちいい。
また、歌詞内容が秀逸である。
歌い出しは「switch on!! 1、2、3」。
始まるときにスイッチオンから始まるというのは、コンピューターのプログラムの冒頭の宣言文のようで、直球勝負である。
走っていると、ここで、まず気合いが入ってしまうわけだ。
正義の味方としては、ちょっとスイッチを入れてから起動するのに時間かかりすぎなんでないのか、という気もしないではないが、まあ、21世紀に入ってもコンピューターの起動には数十秒かかるのだから、この辺はしかたない。
次の歌詞は、「電流、火花がからだを走る」。
電流が走るのは機械の体だから当然としても、火花が走るところは、いささか整備不良な感じがしなくもない。
しかし、逆にいえば、起動時に起動回路に火花が走るくらいまで切迫した運用状況なんだぞ、ということを暗示しているとも考えられる。
日頃不摂生をしている自分の身体と、ここでもシンクロすることになる。
そして、いろいろな不安要素をかかえつつ次の歌詞が、
「ジロー、チェインジ~、キッカイダ~」
ここで、主人公の名前とヒーローの名前が一気に宣言される。
changeのところが、チェンジ、ではなく、チェイィンジ~のように発音される。
これが日本語英語的で心地よい。
さらに次の歌詞で、たたみかけるように、ヒーローの使命を宣言。
「ダークロボットむかえうて、人造人間、キカイダー」
なるほど、ダークロボットという、いかにも、「悪」な名前のものを、積極的に攻撃するんじゃなくて、「むかえうつ」ことがキカイダーの使命なんだということが、早くもここで理解される。
そして、歌詞は、change と、go を連呼するサビにうつって簡潔に終了してしまう。
goの連続のところが、ゴッゴゴッゴ~という連鎖になるのは、ヒーローものによく見られるが、元ネタはなんなんだろうか。
ともあれ、歌詞内容の構造を要約すると、起動フェーズ、名称の宣言、使命の宣言、終了というきわめて単純なものであることがわかる。
この曲が、2~3キロ走ってちょっと疲れてきているときに流れると、ほんとに自分の身体が機械にでもなったかのように、勝手にスピードアップしていくのだから不思議だ。
私だけの特殊体質なのかもしれないが、是非、みなさんにも一度ためしてもらいたいものである。
■ このエントリの解説
どうでもいいことを、分析的に熱く語ることは語彙的に難しい。
とくに音楽のここちよさを解説するのは困難で、うだうだ書いているうちに異常な長文となってしまった。
しかも、推敲を繰り返しているうちにアルビレックはホームで1勝。
文章を書くエネルギーの根元が解消されてしまいました(笑)。
これにめげず、次は、「ジョギングミュージックとしてのロボット刑事について」に挑戦だ!
(公開未定)。
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